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まるでインスタレーション!Time&Style×縞縞@PSオランジュリ(熊本)

株式会社エトレクルールデザインオフィス

2024年5月9日~11日の三日間、熊本市唐人町にある旧第一銀行の洋館で家具ブランド「Time&Style」さんと小倉織の「縞縞」のコラボ展示があり取材も兼ねて行ってみました。ちなみにこの洋館は北海道の放射型ラジエーター等を製造されているピーエス㈱によりリノベーションされた大正建築で、PSオランジュリとして運営されています。京都の町屋によく似合う「Time&Style」と小倉の「縞縞」が美しい洋館でコラボレーションをすると聞いて期待一杯で乗り込みました。ちなみに「インスタレーション」とは、『空間全体を作品とする美術手法』(引用:Wikipedia)で建築やライティング、音、また屋外なども作品の一部として取り入れスケール感と五感に訴える表現方法です。

会場に入ると大きな吹抜けがあり、格子をあしらった什器の上に八代産のい草が花器に飾られ、入った瞬間の迫力と香の演出が印象的でした。






日本の伝統工芸美  玄人デザイン「Time&Style」・小倉織「縞縞」




「Time&Style」は国内に6か所、アムステルダムとミラノにショウルームを展開しています。製造拠点は北海道にあり、道産の丸太を自然乾燥させた後、製材や乾燥プロセスを経て家具に加工する独自の製法を採用しています。家具、照明、日用品に至るまで、日本の伝統工芸の美しさを追求した製品を作り出している日本の家具ブランドです。また、Boffi|DePadovaやDRILLDesign、隈研吾氏といったパートナーシップブランドとのコラボレーションも展開しています。タイムアンドスタイルのデザインを単に「美しい」とか「斬新」とか「エッジの効いた」という言葉で表現するには難しく、繊細なのに攻めてるデザイン美というか、日本の工芸技術を忍ばせつつ鋭利で美しい仕上がりで雰囲気を放っている・・申し訳ないがこれが私の表現の限界です。

会場入って右のオープンシェルフ「Vertical layer」に飾ってあった書籍も、タイムアンドスタイルのオーナー様私物の表紙が焼けた古書や哲学系でなかなか渋い演出。こんなところからも物に飽きてしまった大人たちの感性をくすぐる商品開発がなされていることを感じさせるハイクオリティのブランドです。展示は紙丁番を使った衝立や香川杉を使ったテーブルやすのこの小上がり、石見焼のスツール、その他照明器具や日用品まで美しいディテールを感じさせるプロダクトばかり。国産材が日本の職人の腕にかけられた玄人好みのデザインが、大正建築の洋館にひときわ映えていました。



展示風景。近代的な大正建築の連続したアーチに間接照明が映える会場に日本の粋が集められている




 

小倉織「縞縞」も隈研吾氏とのコラボ展開をしている九州小倉を拠点とするクリエーションです。椅子張りや服地は勿論、小物や壁装材まで広く扱っており、縞縞さんのパンフレットによると、織物工場との連携により企画から糸染め、織まで一貫した行程でオリジナルな織物作りをされています。繊細なストライプのグラデーションはインクジェットではなく、先染糸で緻密に織られて表現されていて、その緻密さで横糸を織機で織るのが難しいと言われますが地厚な生地となり、椅子張りやデニムにも展開中。柄行きは男性好みのストライプから、ウール混のふんわりしたテクスチャまで表情が豊かです。ヨーロッパの生地メーカーにはないデザイン性が特徴的。


タイムアンドスタイルのオリジナルも縞縞で。シンプルなフォルムに表情のあるストライプでほんのり丸みが際立つ




機能性とデザイン性だけでないストーリーがある空間




家具はインテリアを構成する上で印象作りの要となると言っていいほど空間を左右します。製品そのもののデザイン性で目指したいインテリアを構築するだけでなく、買うときには自分の中に答えをもって探し始めるともっと自分の空気にあった空間を作る事ができます。例えば、今回のメーカー2社は住んでいてカッコよく、センスよく大事に暮らすデザインへと日本の伝統技術を製品に進化させて表現してきました。オランジュリで展覧会を開催したのも近代的な洋館との融合で生活提案の新しい価値観を求めた背景があってと聞いています。担当者は「古民家や町屋ではないもっと違うところで」とのことでしたが、お話の文脈では新しい価値表現の場所としてオランジュリが選ばれたという事でしょう。

物と情報に溢れた中で物単体のデザインにフォーカスするだけでは生活の充実感に乏しくなり、物を選択するときにプロダクトの背景にあるコンセプトや信念、ストーリー性に自分の価値観を重ね合わせて選んでいくことで、選んだ人の価値観が介在したインテリア空間に変わって行きます。

今回のインスタレーションはそのような意味で、近代的な洋館とスタイリッシュデザインのプロダクトがベースとなり、大正建築と日本の伝統美が独特の雰囲気にいい仕事をしていたものでした。

建築にも手仕事にも歴史にはそれだけで価値があります。





オランジュリ館内にある金庫の扉。削りだしたタイルの枠飾りや丁番のデザインにも手の込んだディテール




おわりに




いかがでしたでしょうか?

熊本市唐人町にある旧第一銀行熊本支店が北海道の放射型ラジエーター等を製造されているピーエス㈱様によりリノベーションされて、洗練された歴史的建築物として熊本で継承して頂いたことに県民として只感謝を申し上げるばかりです。そこで今回開催された二つのコラボレーションでカタログやお店で眼にした同じアイテムでも、空間が変わるだけで魅力が不思議と全く変わってみえます。これまでに気が付かなかった自分の中にある感性や価値観が顕在化し、一緒に住んでみたいという家具に出会える素晴らしい展示会場でした。


 



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