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株式会社エトレクルールデザインオフィス

終の棲家、人生そのものをリノベーションで


































デザインを受託したご物件。

熊本市内の静かな立地にある築40年程経ったフルリノベーションに

デザイン担当として関わりました。

お打ち合わせのプロセスでデザインの軸が自然とまとまり、

提案した側としては、引き渡し後にお客様が求める欲求充足と

精神や活動に理想的な影響を与えうる出来上がりとなりました。

(委託事業の為画像掲載ができません。ご了承下さい)



 

終の棲家にしたい


「終の棲家にしたい」

沢山の会話のなかでこのリノベーションの目的がここに定まりました。

お客様から何を抽出したら、引渡し後の時空間が終の棲家として

充実した日常を重ねられるか、

そのフックにひっかかるポイントをお客様とのコミュニケーションの中から拾い上げ、

お人柄と一致したインテリア計画を進めていきました。


マンションリノベーションでよく連想されるインテリアといえば

インダストリアルスタイルをベースにしたスタイルが世の中を席巻していますが、

今回、お客様がそこに暮らすには欠けるものやズレがあり、

気持ちよく暮らすお姿をしっかりイメージできませんでした。


お客様も「こんな感じだけどこうではなく、いかにもこうではない!」と

テーブルが和むようなユニークな表現で一生懸命お伝えなさろうとしていましたし、

表現できなくともお客様ご自身の中には自覚をしておられたと思います。


実際にお客様は住まいの価値観を随分前からお持ちである事は、

お母さまから贈られたバンクシー、大切な方から譲り受けた調度品、お気に入りの私物は

どれも出会った瞬間以外手に入らないものを所有されている事からも伺えます。


ハードになりがちな内装の中で、時間によって育まれた価値と味わい、文化芸術の雰囲気を醸し出す物に囲まれ、読書やグリーンに親しむlowでタイムレスな暮らしと、

お友達を招かれ好きなコーヒーを淹れて振る舞う楽しむ時間の演出。

そこからこれまでの暮らしとこれからを繋ぐ軸を辿り、

全方向に暮らしのベースとなる器をプランニングしていきました。


 

気晴らしとくつろぎもお部屋で完結させる


自宅は活動の場でありくつろぎと充足の場。

気分転換はお部屋の中でもできますが、

オンオフの切り替えをするなら出かける事が多いと思います。

しかしお客様は「休みはずっとここにいたい」と思える空間を求めていて、

お客様のパーソナリティそのものが可視化できるデザインとすることに。


広さや規約などで一定の制約があるマンションではありますが、

窓辺に段差をつけて奥行きを感じさせる工夫や、透過性のある間仕切り、

ドアを付けないワンルームの設計、見切り感を残さない色の活用し

視覚的な干渉を消すことで広さを感じる間取りに。


壁や天井もコンクリートを顕しにする予定でしたが、解体時の状態から塗装に変更。

色も躯体の色に合わせず、お客様自身が溶け込むのパーソナリティに合わせたカラーを

ベースとし、愛着のある物たちがもつ個性をスタイリングイメージに合わせた配色にして

多彩な色でもまとまりのあるカラースキームにしました。

マテリアルもタイルやモールガラス、

モルタルなどの無機質な素材と無垢のオークをミックスしたベース作り。


北欧の家具に合わせてTVボードは造作でオリジナルでデザインし、

引手の掘り込み形状と丸みを持たせた削り具合も、空間で重要な仕事を担っています。


物理的な事以外には、あかりのかかり具合で昼夜の表情が変わるグリーン空間、書棚のランタン、暗い・明るいと感じる境界を意識するなど、照明は調光を利用せずともあかりの数と照射位置を考えて、日中と夜間でも表情が違う演出を工夫。


他にも空気の動きやゆらぎを感じるインテリアファンや、間仕切りのモールガラスを透過するいびつな外光、書籍やコーヒーの匂いが漂いお客様の感性をより豊かにしていきます。


テキストや画像ではわかりにくいのですが、どこかで見かけるインテリアとは少し違う、音がない静かな空間に目で見る動と静を感じやすいプランニング。

無機質で無骨なスタイルにポップアートやアンティークが混ざり合い、品のいい大人の教養が滲む空間となりました。


 

成功の成否を分けたお客様の判断


ノベーションやリフォームでは既存の物理的条件を活かしながら制約の中での効果的なプランが求められますので、現場次第ではかけるべき予算の対象が予期せぬ部分に取られる事がよくあります。実際、進行中は予算面で折り合いをつける際仕様を下げる意見がありましたが、お人なりと合わないご提案はおススメできず、プライオリティがどこにあるのか秩序を以って様々な課題に向き合いました。


「このお客様ではない人の住まいになってしまう」


そうならないよう、引渡し後の欲求充足を満たすことが大前提で、

コンセプトに立ち返る事は大変重要。

決して妥協する事や辻褄を合わせて引き渡すことが未来にとってベストではない事をお互いに共有できたことは大きい事で、今回の事例はお客様の明確な価値観に助けられた結果、日常の様々な活動と気分、時間の使い方・過ごし方がどの方向にも意図的に様々な要素を用いながらベネフィットさせる事ができました。

最終的にお客様の思考や感性が投影された空間作りとなり、お客様にもゲストにも高評価を頂いているとお聞きし大変嬉しいです。お引渡し後はご自宅にお招き頂き、ご友人との歓談を楽しみました。デザインした空間にお客様が溶け込んでいる事を確認し、これで仕事が完了です。




今回の記事では画像はお見せできないものの、

弊社ではお客様がご自身を可視可能なインテリアに反映させ、

精神や行動への影響を促すデザインを「オンリーワン」と定義しています。

まさにこの物件は物理的なスタイリングに頼らない、

「時間」をキーワードとしたお客様の思考や感性が投影された空間作りとなり、

お客様のご協力とご理解に助けられました事を感謝しています。

お客様、ありがとうございました。


エトレクルールデザインオフィスでは、

事業や暮らしに戦略を潜ませた美しい空間を提供します。


お問合せ・無料相談は随時受付中です。





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